親知らず抜くべきか迷っている方へ
- 2023年10月16日
- 親知らず抜くべき?
皆さん、親知らずをご存知でしょうか?
親知らずは専門用語で第三大臼歯(智歯)と呼び、大臼歯(大人の奥歯)の中で最も後ろに位置する歯です。永久歯は通常15歳前後で生え揃いますが、親知らずは生える時期が概ね10代後半から20代前半であり、親に知られることなく生えてくる歯であることがその名前の由来だとも言われています。
親知らずは、通常上あごの左右2本と下あごの左右2本の計4本あります。もともと親知らずの無い人や、4本が揃っていない人など個人差があります。親知らずの生えてくる場所が不足している、あるいは生えてくる方向が通常と異なるために、顎の骨の中に埋まっていたり、傾いてきちんと生えてこないことがよく見られます。
そんな親知らずですが、歯医者でレントゲン撮影を行った際やお口の検査をした際に「抜いたほうがいい」と言われることがしばしばあると思います。
では、歯医者はどんな親知らずを抜くべきと判断しているのでしょうか。代表的なパターンを3つ紹介いたします。
~抜いたほうがいい親知らず①隣の歯を虫歯にしている~
抜いたほうがいい親知らず1つ目は、傾いて生える事により、手前の歯とぶつかったところを虫歯にしてしまう場合です。
親知らずがぶつかっているところは食べかすが挟まりやすく歯ブラシも届かないため、虫歯になるリスクが非常に高いです。また、虫歯の治療をしても、親知らずがぶつかっている限りは虫歯になりやすく、親知らずを抜かない限り、虫歯が再発してしまいます。
~抜いたほうがいい親知らず②歯並びに悪影響を与えている~
抜いたほうがいい親知らず2つ目は、横に倒れて生えたものが、隣の歯の側面にぶつかっている場合です。
押された歯が隣の歯を押して、その歯が更に隣の歯を押して…と、将来的に歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。
~抜いたほうがいい親知らず⓷歯ぐきに炎症起こしている~
抜いたほうがいい親知らず3つ目は、中途半端に顔を出した親知らずが炎症を起こしている場合です。
こうした状態の親知らずと歯ぐきの隙間は、深い歯周ポケットができていることと同じ状態。そのため、内部に汚れが溜まりやすく、炎症が起きて腫れたり出血しやすくなります。
抗菌薬で炎症が治まっても、一時的なもので原因となる親知らずを抜かない限り再発してしまいます。
~親知らずを抜くべきか気になったら~
紹介した3つのケースは「すでに問題を起こしている親知らず」の例です。もし、まだ何も症状がない場合でも、骨や歯ぐきの中にある状態から判断して、将来的に問題を起こす可能性がある親知らずの抜歯をすすめさせていただくことも多いです。
親知らずは基本若い方が骨との結合が弱く抜きやすいです。しかし、親知らずを抜く際に骨の中にある神経を傷つけてしまうと麻痺を起こしています可能であるためしっかりと画像での診査診断が必要になってきます。
当院では勤務時、口腔外科での親知らずの抜歯症例をたくさん行っており、CT撮影を活用し診査診断を行ったうえで当院で抜歯可能と判断した症例は大学病院などへ紹介せず抜歯を行い、患者への治療までの期間の不安や負担を減らすことを心がけています。