歯科が行うボトックス治療について
- 2025年11月5日
- 歯ぎしり、くいしばりについて
あざみ野すずき歯科クリニックです🦷
今回は当院で導入している歯科ボトックス治療(ボツリヌス治療)についてです。
現在、歯ぎしりや食いしばりなどそれらからくる首こり肩こり偏頭痛でお悩みの方が多くいらっしゃいます。その多くが無意識で食いしばっていて、眠っている最中に歯ぎしり食いしばりをしていて、朝起きたときに顎が疲れている。またはパートナーに指摘されたりして気付く方です。また、歯ぎしり食いしばりで歯にヒビが入って虫歯になられたり、歯がしみたり、歯や歯根が破れたりする方も増えてきました。
こういった場合はボトックス治療を定期的に行うことで、歯ぎしりや食いしばりの辛さを改善できる可能性があります。
歯ぎしり・食いしばりのチェックリスト
□日中に上下の歯があたり、食いしばっていることに気付いた
□朝起きたら顎の疲れ、熟睡できていない感じがある
□歯ぎしりや食いしばりを指摘されたことがある
□首こり肩こりがひどい
□だんだんエラが張ってきた。顔が大きくなってきた
□頬の筋肉にはりやこりがある
□知覚過敏の歯がある
□詰め物が取れやすい
□歯がすり減って噛めない部分がある
このチェックリストに該当することがあれば、歯科医院に一度早めに相談し対処することが必要でしょう。
ボトックスがおすすめの方は?
①歯ぎしりや食いしばりが強い方
・夜間や日中に歯ぎしりや食いしばりをする習慣があり、歯の摩耗や顎の疲れを感じている人。
②顎関節症で悩んでいる方
・顎の痛み、顎の動きの制限に悩んでいる人。
・筋肉の緊張が主な原因と診断された場合。
③既存の治療法に満足していない方
・他の治療法(マウスピースや薬物療法)を試しても効果が感じられない人。
・短期間で症状の改善を目指したい人。
ボトックスの詳しい情報
ボツリヌス毒素(ボトックス)は、神経の末梢の神経筋接合部における神経終末内でのアセチルコリン放出抑制により、神経筋伝達を阻害し、筋弛緩作用を示します。神経筋伝達を阻害された神経は、神経枝の新生により数か月後には再開通し、筋弛緩作用は消退します。
ボトックス(ボツリヌス)治療の効果の持続力
効果の持続力には個人差がありますが、4〜6ヶ月が概ね目安となっています。永続的な効果があるわけではなく、対症療法なので定期的に治療を行うことで効果の持続と改善が顕著になります。
ボトックス治療のメリット・デメリット
メリット
歯ぎしり、食いしばりの改善
顎関節症の改善
歯の知覚過敏緩和
発達した咬筋を弛緩させる(いわゆる小顔効果)
デメリット
・保険適応外
・注射部位の痛み・腫れ
・内出血
・口元の違和感
・咬合力の低下
ボトックスが適さない人(要注意)
・妊娠中・授乳中の方。
女性であれば2回の月経を経過するまで、男性であれば3か月を越えるまでは避妊が必要となります。
・ボツリヌス毒素にアレルギーがある方。
・筋肉や神経系の疾患を抱えている方(例:重症筋無力症)。
・慢性的な顎関節症で、筋肉以外の要因(骨の変形など)が原因の場合。
エビデンスに基づくボトックス注射の効果
歯ぎしり・顎関節症に関するエビデンス
・歯ぎしり(ブラキシズム)に対するボトックスの効果を検証した研究では、ボトックスを咬筋に注射することで、症状の軽減が認められました。
ある臨床試験では、患者の85%が「歯ぎしりや顎の痛みが緩和された」と報告しています(出典:Journal of Oral Rehabilitation, 2020)
顎関節症(TMD)の治療についても、ボトックス注射を行うことで筋肉の緊張が減少し、顎の動きが改善したケースが多数あります。
研究例:3か月後の追跡調査で、70%以上の患者が痛みの緩和を実感しました(Clinical Oral Investigations, 2018)。
一度、相談したい方は是非当院へお越しください。
