インプラント治療について
- 2023年8月16日
- インプラントについて
今回は歯が抜歯になってしまった後の歯を補う方法の一つであるインプラント治療についてお話させて頂きます。
私はインプラント治療専門に大学病院にて勤務しており、患者さんからインプラントに対する質問や相談を受け、町の歯科医院へ受診している患者さんも同じ様な事を思っているのではないかと考え、ブログでお話をさせて頂き、少しでも悩みや不安が解消できればと思っています。
歯を失った場合に左右バランスを補う必要があり、その方法としてブリッジ・入れ歯、インプラントの3つの方法があります。
ブリッジ治療は健康な歯を削ったり、元々装着されていた被せ物を一度削って外し形を整えたりする必要があり、神経がある歯や神経治療されたに対してダメージが生じます。
入れ歯は歯に金具をかけ入れ歯が動かないようにする必要がありますが、入れ歯は食事の際に動いてしまうため歯が揺さぶられ歯にダメージが生じる可能性があります。
ブリッジ治療も入れ歯の治療も決して悪い治療ではありませんが、インプラント治療は他の歯を削らず自分の歯のように噛めます。
しかしインプラント治療も欠点がり、自費診療であり外科的侵襲があること、治療期間が長いことです。
インプラント治療の流れですが、初めにカウンセリングを行いその後CT撮影しCT説明、治療計画のご説明をします(この時に骨の移植の有無が判断できます)。
その後インプラントの埋め込み手術を行い、インプラントと骨が結合するのを待ったのち(3~6カ月)、型取りを行い、被せ物を装着します。
インプラントの寿命ですが、永久的と思われている方も多いようですがそれは間違いです。
定期健診に通い、清掃状態良好で全身的な疾患がない場合で10年予後は、上顎は90%、下顎は95%と言われております。
ですので定期健診や清掃の重要性や既往歴の有無やそれに伴う服用薬の有無の大きく関係します。
インプラントは歯周病で周囲の支えられている骨がなくなり動き始めた時やインプラントが折れた場合のみ撤去します。それ以外はそのまま使用しますので、10年経っても撤去するということはありません。
インプラント治療は病があるとできないのか?と相談があり、基本的には疾患があり、お薬を服用している方でもインプラント治療は可能ですが、病の状況や服用薬によってはインプラント治療の成功率や予後に大きく影響を及ぼす場合があるため、ご心配な方は相談してみてください。
他の相談では、インプラントは骨がないとできないと言われているが年齢の限界はありますか?という内容です。
年齢は成長期が終わった若年者からであれば何歳でも治療は可能です。
骨がない場合であっても骨の移植を行うことで、インプラントを埋め込むための足場を作ることで可能になります。
インプラント治療では事故やトラブルがあると言われているが大丈夫ですか?と不安に感じている患者さんもいます。
基本的にはインプラント治療をする際は、全体のレントゲンやCT撮影し出来上がった画像でシュミレーションさし、大事な神経や血管を傷つけずに埋め込むことが可能か診断し、ご説明します。
もし埋め込みの際にリスクが大きいようであれば、インプラント治療を断念することもあります。
インプラントを埋め込む手術の際痛みはありますか?という質問ですが、局所麻酔をするので手術中の痛みはほぼありませんが、麻酔が切れてから痛みが生じたり腫れたりすることもあり、通常は2~3日で症状は落ち着いてきますが、処置内容や個人差によっては痛みが1週間ほどある人もいます。
高齢な方に経済的な余裕はあまりないが、入れ歯で痛くならずにもっと噛める方法はありませんか?と相談を受けたこともあります。
治療法としてインプラントと入れ歯を組み合わせる事により入れ歯が動きずらくなり噛む力が強くなることで、痛みが軽減され今まで食べれなかった物が食べられるようになります。
またこの治療内容のメリットは従来の固定性のインプラント治療に比べると費用が安く抑えられるという大きな魅力もありますので一度相談してみてはいかがでしょうか。
大学病院勤務時代、インプラント治療を受ける患者さんから様々な質問が挙げられた中で、今回多い質問内容をブログに記載しました。
インプラント治療は健康寿命を維持する方法の一つとしては良い治療と思います。ブログの内容で少しでもインプラント治療に興味や不安を消す材料なれば幸いです。
あざみ野すずき歯科クリニック 院長