インプラントとMRIの関係について
- 2025年4月12日
- インプラントについて
あざみ野すずき歯科クリニックです🦷
インプラントを入れようと考えている患者様、またインプラント治療を受けられた患者様から、「インプラントを入れた後にMRI検査を受けても大丈夫ですか?」というご質問をよくいただきます。今回は、インプラントを入れてもMRI検査をしても良いのか?という疑問について詳しく解説していきます。
■インプラント治療後にMRI検査をしても大丈夫?
結論からお伝えすると、多くの場合インプラント治療後でもMRI検査を受けることは可能です。しかし、場合によってはMRI検査が適さないケースもありますので、しっかりと理解しておきましょう。
◆MRI検査ができる理由
MRI(核磁気共鳴画像法)検査は、強力な磁場と電波を用いて体内の状態を画像化する検査です。この検査の特性上、金属類は画像に影響を与えたり、発熱したりする可能性があるため、注意が必要です。
しかし、現在の歯科インプラントの本体(フィクスチャー)や、それを支えるアバットメントと呼ばれる部品は、チタンまたはチタン合金といった素材でできています。これらの素材は非磁性体であり、MRI検査の強力な磁場に反応しません。
そのため、インプラントが体内に埋入されていてもMRI検査の画像に大きな影響を与えることなく、安全に検査を受けられることが多いのです。
◆MRI検査ができない場合とは
以下のようなケースではMRI検査ができない、または注意が必要となることがあります。
①磁性体を含むインプラント関連部品の使用
◇磁性アタッチメントを使用したオーバーデンチャー
インプラントの上に装着する入れ歯(オーバーデンチャー)を固定するために、磁石(磁性アタッチメント)が使用されている場合があります。この磁石はMRI検査の磁場に反応し、画像の歪みを引き起こしたり、磁石自体が移動したりする可能性があります。
◆MRI検査におけるリスクとは
MRI検査自体は比較的安全な検査ですが、インプラント治療を受けている場合は、以下の点に注意する必要があります。
①画像の歪み(アーチファクト)
インプラント自体は磁場に反応しませんが、金属であるため、MRI画像の特定部位に歪み(アーチファクト)が生じることがあります。これにより、インプラント周辺の組織の評価が困難になる可能性があります。ただし、最近のMRI技術の進歩により、アーチファクトを低減する工夫がなされている場合もあります
■インプラント治療後にCT検査をしても大丈夫?
MRI検査とは異なり、CT検査はX線を用いるため、体内に金属製のものが存在していても、基本的に問題なく受けることができます。
CT検査では、金属によって画像に線状の影(メタルアーチファクト)が生じることがありますが、MRI検査のような強い磁場の影響はありません。
インプラント治療の術前診断や、治療後の経過観察などでは、CT検査が頻繁に行われます。インプラント治療を受けていることがCT検査の妨げになることはありませんのでご安心ください。
◆インプラント治療後にできなくなることは?
インプラント治療後、日常生活において特にできなくなることはありません。むしろ、しっかりと噛めるようになることで、食事の制限が減ったり、より活動的な生活を送れるようになったりする方が多いです。
ただし、治療直後やメンテナンス期には、歯科医師や歯科衛生士からの指示に従い、適切なケアを行う必要があります。また、非常に硬いものを噛む際には、注意が必要な場合があります。
■まとめ
インプラント治療後でも、多くの場合MRI検査を受けることができます。しかし、使用されているインプラント関連部品の種類や、MRI検査の条件によっては注意が必要な場合もあります。MRI検査を受ける際には、必ずインプラント治療を受けていることを医師に伝え、適切な指示を受けるようにしてください。
当院では、患者様が安心してインプラント治療を受け、その後も快適な生活を送れるよう、様々なサポート体制を整えております。
インプラント治療に関するご質問やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。