インプラント周囲炎について
- 2025年2月1日
- インプラントについて
あざみ野すずき歯科クリニックです🦷
今回はインプラント周囲炎についてお話をしたいと思います。
🌟インプラント周囲炎ってなに??
インプラント周囲炎とは、インプラント周辺の組織が歯周病に感染した状態を言います。
初期段階では、インプラント周囲の歯肉から出血がみられます。
インプラントの初期段階の炎症は、自覚症状(痛み)はほとんどありません。
インプラントは天然歯に比べ炎症への抵抗力が低いため、一度細菌感染を起こすと骨吸収が急速に進行します。
悪化すると、膿んできたり、腫れたりしてきます。この状態になると、インプラントを支えていた骨が無くなり、重篤なケースだとインプラントを固定しつづけることが出来なくなります。
そのため自覚症状が乏しく、気が付いたときには重症化しているケースもあり、日頃のメンテナンスによる感染予防が重要となります。
感染を起こして周囲組織の破壊が生じた場合、完治が非常に難し、適切な処置とアフターケアを行っても、5年後の現状維持率は約60%程度でしかありません。
インプラント周囲炎の主な理由
〇歯周病リスクの高い患者様の、日々のメンテナンス不足。
〇発症していた歯周病が治っていない状態でインプラントを治療を受けてしまった場合
〇インプラント治療後の適切なブラッシングを行えていない、及び、メンテナンス不足のようなことが考えられます。
また、インプラント周囲炎はセルフケアの質だけでなく、全身的な病気や生活習慣とも関係しています。
主な原因として、以下のようなことが挙げられます。
①糖尿病の場合、術後の傷口の治癒や骨結合に悪影響を及ぼす恐れがあり、インプラント周囲炎を引き起こしやすくなります。
②タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管収縮や血流阻害などを引き起こし、インプラント周囲炎の発症リスクを高めます。
③貧血によって組織が酸素欠乏に陥ると、術後感染を起こしやすくなり、インプラント周囲炎を発症することがあります。
🌟予防するには??
インプラント周囲炎を予防するためには、定期的に歯科医を受診してインプラントと口内の状況をチェックしてもらうほか、ご自宅で正しくケアしていただくことが重要です。
丁寧にブラッシングし、デンタフロスや歯間ブラシを使って汚れやプラークを着実に落としていきます。
また、喫煙など血行を悪くする生活習慣をなるべく辞めること、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方はマウスピースを使用してインプラント治療を行った部分を守ることも大切です。
糖尿病や骨粗しょう症などがあると、顎の骨とインプラントとの結合が上手く進まず、インプラント周囲炎が起きた場合にインプラントが脱落しやすいリスクがあります。
インプラント治療はとても素晴らしい治療方法で、他の治療法に比べて圧倒的な長期予後を見込むことができます。適切な状態が維持出来れば、10年で90%の生存率が見込めるのです。
トラブルが起きる前に定期的にメンテナンスへ来ていただくことによって、口腔内のトラブルを早期発見することもできます。