虫歯治療
虫歯治療
冷たい物が歯にしみるからといって、一概に虫歯とは言えません。歯周病や知覚過敏、かみ合わせなどでも冷たい物で歯がしみることがあります。幅広い原因が考えられるため、当院では原因に応じて治療を行っております。
虫歯とは、お口の中に潜む虫歯菌が作る酸によって歯を溶かし、穴が開いてしまう病気のことです。
原因には、以下の3つの要素があります。
細菌(ミュータンス菌)
口の中に潜む細菌(ミュータンス菌)は、歯の表面に付着し食べ物や飲み物などにより摂取した糖分から酸を作ります。細菌によって作られた酸が、リンやカルシウムといった歯の成分を溶かし歯を脆くさせます。
糖分
日常生活で摂取する糖分は、細菌が酸を作る材料になります。
甘いお菓子を好んでよく食べる方や、間食する習慣のある方は、歯の表面に酸が付着する時間が長いため、虫歯になる可能性を高めます。
歯質
環境や遺伝の違いにもよりますが、エナメル質や象牙質の状態によって虫歯になりやすい傾向にある方もいます。
健康で丈夫な歯を育てるためには、カルシウムやタンパク質、ビタミン、リンなどの栄養素が必要になるため、バランスの取れた食事を心がけましょう。
虫歯の進行は、段階わけの基準は「虫歯の表面から神経部分までの深さ」で、C0~C4の5段階に分類されます。虫歯の進行状況に応じた治療が必要です。
C0初期の虫歯
エナメル質が溶かされ始めている段階で、歯の表面が白く濁って見えますが、まだ穴は空いておらず、痛みなどの自覚症状もありません。
適切なブラッシングやフッ素塗布により、歯の再石灰化を促すことで治癒します。(要観察)
C1エナメル質に小さな穴が空いた虫歯
エナメル質が溶かされ、小さな穴が空いた状態です。歯の表面は黒ずんで見えます。冷たいものを飲食した際に「しみる」などの自覚症状が現れますが、痛みはない。
虫歯の部分を最小限に削り、白い歯科用プラスチック(レンジ)などを詰め、表面をなめらかに整えます。
C2歯の内部(象牙質)まで進行した虫歯(冷たいもの、甘いものがしみる)
虫歯がエナメル質の内側にある象牙質まで達している状態です。虫歯の部分は黒く見えます。冷たいものや甘いものを飲食したときに、しみる・痛むなどの自覚症状が現れます。
局所麻酔を使用し、虫歯の部分を削り取り、詰め物で補います。虫歯が広範囲で神経に近い場合は、神経の保護(歯髄保存療法)や型を取って作製するインレー(詰め物)や被せ物によって歯の機能を回復します。
詰め物・被せ物などの修復物の材料には様々な種類があり、保険範囲のものと保険外のものがあります。当院では身体に優しく、審美性の高い材料を種類豊富にご用意しています。
C3神経まで進行した虫歯(熱いものがしみる、激しい痛みがある)
虫歯が歯の内部にある神経(歯髄)まで進行した状態です。冷たいもの、甘いものに加え、熱いものでもしみたり、刺激を与えなくても激しい痛みが生じたりする。
炎症によって痛んでいる神経を取り除き、歯の内部(根管)を消毒する根管治療。この段階で治療すれば、歯自体は残せることが多いです。根管治療後は土台を立てて、クラウンを被せます。
C4歯根まで進行した虫歯(長期間継続していた強い痛みが治まり、放置している)
歯根の部分まで虫歯菌が侵入し、歯の大部分は溶けて崩れ、末期の状態です。神経自体が壊死しているため痛みを感じません。
しかし放置するとやがて歯根部に膿がたまり激痛を生じやすくなります。麻酔も効きにくく、歯を残存することも難しくなります。
根管治療、抜歯
抜歯後は、ブリッジや入れ歯、インプラントなどで失った歯を補い機能回復を図ります。
ブリッジ(連続した被せ物)
ブリッジは、失ってしまった部分の歯を補うために、その両隣の歯を土台にして、連続した被せ物を装着する治療です。ご自分の歯と同じように噛むことができますが、ブリッジを固定するため両隣の歯を削る必要があります。
このブリッジには、保険適用の金属製のものや適用外のセラミック製など、様々なものがあります。
虫歯は削って被せ物や詰め物をすると、痛みがなくなり見た目もきれいになります。しかし人間の歯は再生しないため、一度削ってしまうと元の歯に戻ることはありません。
当院では、ご自身の歯を少しでも多く残すために、できるだけ削らない・抜かない「MI(Minimal Intervention=最小限の侵襲)治療」を心がけています。必要に応じてマイクロスコープを使用し、虫歯になっている部分をしっかり見極めていきます。
また、痛いところを治す「だけ」の間に合わせの治療では歯を守ることができません。当院では、定期的な検診・メインテナンスや予防歯科にも力を入れ、治療後も患者さんのお口の健康をサポートしています
虫歯が進行すると、食事の時に痛みを感じやすく、十分な栄養を摂取できないため栄養状態が悪くなったりすることがあります。
痛みを我慢していると虫歯は進行し、歯の神経が死ぬことで痛みを感じなくなりますが、しばらくすると、虫歯菌が増えて活発になることで再び痛み出し、急に激痛な痛みが襲ってきます。そして周りの歯に悪影響を及ぼしたりする恐れがあります。
最終的には保存できる可能性が極めて低くなり、抜歯を余儀なくされる場合もああります。また、抜歯したところの治療をしない場合、歯並びが悪くなる可能性があるため、歯の機能を補うための治療を受けることが大切です。
生涯のパートナーである歯を守るためにも、虫歯は放置せず、早期発見・早期治療が大切ですので、お口のお悩みが生じた際には、お早めに受診・ご相談ください。