精密根管治療
精密根管治療
根管治療は、感染して壊死した歯髄や細菌の固まりなどの汚れを綺麗に取り除き、痛み・症状を抑えて歯の寿命を伸ばす治療です。当院では、充実した設備と専門的な技術をもって天然の歯を残すための根管治療に力を入れています。
保険根管治療
成功率 |
抜髄約45% 再根管治療約30% |
価格 |
安価 |
CT撮影 |
限られた部位のみ可能 |
マイクロスコープ |
できるだけ使用する |
手用器具 |
ステンレスファイル |
根管充填剤 |
ゴムの樹脂(防腐剤) |
ラバーダム防湿 |
基本しない |
治療期間 |
3~6回 (症状による) |
精密(自費)根幹治療
成功率 |
抜髄約90% 再根管治療約60~70% |
価格 |
高い(自費診療のため) |
CT撮影 |
全ての症例に撮影 |
マイクロスコープ |
全ての症例に使用 |
手用器具 |
ニッケルチタンファイル |
根管充填剤 |
MTA(抗菌・殺菌作用・硬組織誘導作用、 耐歯根破折) |
ラバーダム防湿 |
必ず使用する |
治療期間 |
1回~3回(症状による) |
当院では、マイクロスコープ、歯科用CT、ラバーダム防湿、ニッケルチタンファイル、MTAセメントなど、根管治療に有用とされている設備(材料)を使用し、より精密な根管治療を行っています。
根管治療は精密性で細かい処置や正確さが求められます。歯を削り過ぎると、歯根破折のリスクが高くなり、洗浄や消毒が不完全であると、細菌感染の再発リスクが高まります。マイクロスコープを使用することで、小さなものを大きく拡大して、1つ1つの繊細な処置を目で見て確実にできるようになりました。従来と比較すると、圧倒的に精密で質の高い治療を行うことができます。
当院では視野を20倍にまで拡大できる「マイクロスコープ」を導入し、より精密で確実な根管治療をめざしています。
根管は複雑な形状であるうえ、歯によっては数本に分岐しているため、まず根管の構造や病巣の位置・大きさを正確に把握することが重要となります。その診査診断に役立つのが歯科用CTです。平面のレントゲン画像では確認できない細部も、歯科用CTの立体画像なら詳細に把握できるため、より一層精密な診査診断・治療が可能になります。
根管治療を行う際、口の中の細菌が入り込むと増殖し、病気の再発リスクが高まります。ラバーダムは、薄いゴム製シートで治療する歯以外を覆い、唾液中の細菌が根管内に侵入することを防ぐ効果もあるため治療には必須です。これにより根管治療の成功率を飛躍的に高めます。
根管治療では、細く曲がりくねっている根管を掃除する際、ステンレスファイルでは硬すぎるために疲労により器具の破折が起こりやすいため、柔軟性のある破折しにくいニッケルチタンファイルを使用しています。
一般的な根管治療ではゴム状の樹脂(防腐剤)で隙間を塞ぎますが、根管内に穴や根先端部の破壊などが見られるケースでは対応が難しく、そこから感染して周囲の骨の吸収や歯肉の腫れや痛みを引き起こしてしまうことがあります。
ゴム状の樹脂と比較し封鎖性に優れたMTAセメントであれば、このようなケースでも細菌の侵入を防ぐことが可能です。生体親和性が良く、高い殺菌作用や歯の組織を再生させる効果を有しているため治療後の経過が良好になります。
歯の奥側が噛むと痛い、他院では治らないので抜歯しインプラント治療と言われ、歯の保存を希望され受診。
診査したところ、歯は動揺がありCT画像でも根の周りに大きな影が認められ、様々な角度から見ると広範囲に影が広がているのが分かった。また根の先端から骨の中に細菌が侵入し症状をおこしていると診断し精密根管治療を開始した。昔の治療で詰めたゴムの樹脂を取り除き、清掃後にMTAにて充填した。術後3カ月後のCT画像では術前の影が小さくなっているのがわかり骨の再生がされており、歯の症状も緩和されていることから、治療が成功していると考えられる。
治療(1時間)を2回で終わり、3カ月経過観察をおこなった。
根管治療 11万、経過観察用CT 5500円、ファイバーポスト 2万、セラミッククラウン 10万
副作用が発生する治療ではないが、100%の成功率ではないため失敗(再発)ことがリスクになる。
また、再治療になった場合は再度根管内からのアプローチは難しいため、外科的な治療をおこなう必要がある。
噛むと痛い。根の再治療を2~3回繰り返しているが症状が改善せず、抜歯と言われてたが、保存希望され受診。
診査したところ歯を垂直に叩くと痛みがあり、CT画像では根の治療を繰り返した影響での内部が大きく削られ根の先端が破壊されていることから、その部位から細菌が繁殖し根の周りに病巣を作り出したと考えられる。
根の先端が破壊された場合、保険でのリカバリーが難しいため精密根管治療を開始した。
昔の治療で詰めているゴムの樹脂を丁寧に取り除き、MTAで充填した。術後3カ月後のCTでは、根の周りにある透過像が小さくなり骨の再生が確認できる。また、歯を叩いても痛みは消失したため治療が成功していると考えられる。
治療(1時間)を2回で終わり、3カ月経過観察をおこなった。
根管治療 11万、経過観察用CT 5500円、ファイバーポスト 2万、セラミッククラウン 10万
副作用が発生する治療ではないが、100%の成功率ではないため失敗(再発)ことがリスクになる。
また、再治療になった場合は再度根管内からのアプローチは難しいため、外科的な治療をおこなう必要がある。
自費の根管治療は100%成功する治療ではありません。 しかし当院では少しでも成功率を上げるために、ラバーダム防湿での無菌処置やCTの事前の診査を行い、マイクロスコープを併用する事で、技術と経験に基づいた質の高い治療を提供しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
根管治療後の被せ物の種類も、治療の成功率に影響を与えます。保険適用の銀歯は歯と歯の間にすき間が生じやすく、そこにむし歯が再発するリスクが高い被せ物です。 一方、自費診療のセラミックは歯と歯の間にすき間ができにくいため、むし歯の再発リスクを抑えることができます。
根管の先端1/3は非常に複雑な形態をしており、その部分に存在する細菌を洗浄・殺菌できず、症状が治らない場合あります。それを難治性の根尖病巣と言い、保険や自費の根管治療でも治すことが難しいため、根管の1/3の先端を取り除く必要があります。
それを「歯根端切除術」といい、一定の期間経過観察を行っても治癒の傾向が見られない場合に外科的に、根尖と病変を摘出することで、予後不良の根尖性歯周炎を治癒に導くことができる処置です。